雑念書き殴り

時々考え込んだことを無駄にしないために書き留めておく

簡易撮影ブースを選ぶ

手持ちの使わない機材をオークションで処分しようかと考え始めたところ、無性に撮影ボックスが欲しくなってしまった。ブツ撮りのことを本気で考えると背景に使えるシートと複数のスタンド付きLEDライトを用意する方が汎用性は高いのだが、常設出来る環境がなければまず使わなくなるだろうなと予想される。結果として撮影ボックスが最適解だろう。

 

撮影ボックスは、Amazonを見ると中国製の非常に安価なものがたくさん出ている。自分が撮影したいものとセッティングする場所の広さを考えると40cm立方の組み立てボックスがベストだろうと物色すると、概ね4000円以下の値段でプラ製の組み立て式が一番人気があるようだ。しかし、いろんなメーカーから出てる同じような方向性のボックスを見比べてもいまいちこれという決め手になるものがない。そこで、ネットで撮影ボックスを買った人のレビューを調べてみると、ちょこちょこ出てくるのがFoldio2というボックスだった。

 

このFoldio2、ぐっと来た。Amazonで現在主流になっている中国製の撮影ボックスで不安だったり不満だったりする部分が全部クリアされている。以下に、何が心に響いたかを書いておこう。

 

1) 箱を組み立てる時のスナップがマグネット

Amazonの主流は金属やプラのボタンで留めるものである。使い始めはそれでいいだろうが、このボックスは使用する時だけ組み立てて、いらない時は畳んでしまっておけるのがウリである。だとすれば、撮影するたびに組み立て分解を繰り返すのだから、まず最初に壊れるのがこのボタンだというのは想像に難くない。実際、レビューを見ると「何度か組み立てているうちにボタンが壊れた」とか「ボタンが硬くてうまく留まらない」とか「ボタンがしっかり留まらないのでボックスがしっかり立方体にならない」とかネガティブな意見が散見される。実際、メーカーもそこを気にしてるのか、ボタンの工夫やブラケットによる補強など、いろいろ工夫してる様だが、そこでいろいろ手を加えれば加えるほど、機械的な弱点になるし、組み立てを複雑にして使うのが億劫になるのが予想出来る。その点、Foldio2は強力なマグネットによるスナップだ。つまり物理的なかみ合わせは全く使われていない。これは何度も組み立てをする時にボタンの様な摩耗がないので非常に耐久性が上昇するし、なにより展開して形を作るだけでマグネットが吸い付くことで自然に固定されるので組み立てのスピードが大幅アップする。ぐっと来たね。これならボックスを使うのが面倒だという気分にならないで済む。

 

2) LEDライトがディフューザー付き

撮影ボックスの利点は照明がボックスに最初から固定されていることだ。安価で小型なLEDを直線にならべた照明をボックスの天井部分に固定することで均一な全体照明を実現している。しかし、一番気になるのがスタンダードな撮影ボックスではLED照明がむき出しということだ。つまり、小さな照明素子が列に並んでいる形になる。実際、撮影ボックスで実写したサンプルを見ると、影にも微妙にこの列状の光源による影のムラが見える。価格帯をもう少し上げて探すと、LED照明の下にトレーシングペーパーの様なシートを入れることでディフューザー効果を付け加えたものもあるが、これまたこのディフューザーを挟むという作業が面倒くさい。ところが、Folio2のLEDは最初からディフューザーとして働くカバーがついている。これなら少なくとも直接光源が写り込むようなブツを撮らない限りは照明のムラが気になることはないだろう。

 

この2点以外にも、きちんとした収納ボックスがついてくることもありがたい。使わない時に配送時の段ボール箱に入れておくというのはなんともかっこ悪いからだ。

 

ところがこのFoldio2、以前は国内代理店があった様なのだが今は取り扱いをやめている。並行輸入品として売られているものもあるが、びっくりするほど高い。ぐぬぬ。こうなれば自分で並行輸入するしかないかとB&Hに見に行くと、なんと、Folio2ではなくFoldio2 Plusというものが近日発売になっているではないか。何が違うのかと調べてみれば、どうやら天井のLED照明が手前と奥の2本だったのが、手前と左右の3本に増やされたというのだ。アメリカから輸入するとなると送料が高いことが最大の問題だが、それでも最初に候補になってた中国製ボックスの3倍以内の値段に抑える事が出来そうだ。これは発売されたら買うしかない。

 

念のため、メーカー直販ならどうだろうと見に行くと、メーカー直販でもB&Hと同じ値段と送料。しかもオプションで前面を塞ぐカバーも追加することが出来る。さらにメーカー直販だと既に販売開始してるじゃないか。これはもう即買いしかないと注文したら、配送業者のDHLから明日届けますという連絡。びっくりして配送経路を辿ってみたら、どうやらメーカーは韓国にあるらしい。B&Hに注文してたら1週間は見込まないといけなかった訳で、メーカー直販にしてつくづく良かった。

 

というわけで、ワクテカしながら待っている間に商品も届いてないのにレビューを書いてるわけだが、単純に自分の商品選びは正しかったと思い込みたいだけです、すいません。まさに駄文サイトにふさわしい無駄レビュー。

 

追記

 

Foldio2 Plusが到着してちょっと使ってみた結果、予想と違う部分があったので追記。

 

収納ボックスだと思っていた写真は収納ボックスではなかったことが判明。Foldio2 Plus本体に邪魔にならないところに持ち手がついていて、畳んだ状態の本体がバッグ状の形状になって持ち運びが楽、ということらしい。なので、背景紙やLEDの調光器と電源の収納はちょっと考える必要がある。幸い、小さなジッパーバッグと図面入れが余っていたので、電源はバッグに、背景紙は図面入れに収納した。背景紙はどちらにせよ折り目が付いてしまうとおしまいなので、丸めて収納出来る方法をあらかじめ用意しておくことがオススメ。

 

オプションでFront Coverを同時購入したのだが、これの収納はちょっと悩んだ。折り畳むと本体と同様に中央にマグネットが来るので、畳んだ本体の中央のマグネットにスナップする形で貼り着けて持ち運べるのだが、前面をカバーする役目の性質上、ちょっとだけ縦に長くなっているのだ。しかし、よく考えられているもので、畳んだ本体にスナップさせた時にはみ出すのは一方だけなので、はみ出す側を持ち手側にすれば持ち手以外の三辺はピッタリ本体に一致する。というわけで、本体単体よりもちょっとスペースが必要になるが、最小限の無駄で済んでいるのはありがたい。

 

実際にブツを撮ってみたが、とにかくセッティングが楽。展開して背景紙を固定して組み立てるのに要する時間は30秒もあれば事足りる。これでそこそこマシなブツ撮りが出来るのだから、いい買い物だったと思う。